記録

26歳OLが真面目なことを書いたり書かなかったりやっぱり書いたりする

20171028 CEDEC@九産大「リアル脱出ゲームの今までとこれから」

【リアル脱出ゲームの今までとこれから ーSCRAP加藤さんー】


○加藤さん自身について
・子供の頃は夢見がちで本や漫画を読んだり、映画を観たりしながら、物語が好きで「物語の中に入りたい」と思っていたそう。その思いは羨みから憎みのようなものへと変わるほど強かった。
・大学卒業後は印刷会社に勤めるも2年で退社。理由はミュージシャンになりたいから。
・メジャーデビュー出来たもののまったく売れず…。
・それと同時に、友人何人かでフリーペーパーを発行していた。マネタイズは広告以外で!ということで、フリーペーパーとイベントを連動させた。理由は、フリーペーパーというのは届くものではなく、自分で取りに行かないと入手できない。そういう人達はイベントを求めてるんじゃないか?という考えのもとから。
・フリーペーパーで特集したことをもとにイベントを開催して参加費を徴収するビジネスを始める。
ex)特集「理数」→イベント「ロマンチックな理数ナイト」
特集「失恋」→イベント「失恋エピソード選手権」
どのイベントもなかなかの集客。
・リアル脱出ゲームはそのイベントの中のひとつだった。
イデアのブレストをしている際に女の子が「最近脱出ゲームにハマってる」という発言をしたことから、加藤さんが「じゃあそれリアルでやるといいじゃん!」と提案したことからスタート。
第1回目が人気で第2回目、第3回目…と続いたそう。
・タイミングよくレイトン教授が流行ったこともリアル脱出ゲームの人気に繋がったのではないか。
・あまりにも人気なので、リアル脱出ゲームだけの会社を起業。これが2008年のこと。
・加藤さんが考えるリアル脱出ゲームの成功理由は2つ。
①世の中が強いインタラクティブを求めていたから。
SNS上では自分が発信したことへの反応が強く返ってくる。それを現実でも求めていた。
②社会人が部活を求めていたから。
・リアル脱出ゲームを作る際に気をつけていることは5つ。
①空想の世界を実際に体験してもらう。
→例えば「アタッシュケースにハサミと時限爆弾が入ってて赤と青の導線があって…」みたいなシチュエーションって多くの人が見たことあるけど体験したことない。こういうのを体験してもらう。
②謎を解くことに理由がある。
→理由もなくただ解くのでは納得できない。
③協力して達成できるようにする。
→部活を求めているという点から。ゲーム終了後に「あの時のあなたのおかげで助かった!」という会話もできる。
④脱出率は10%を目指す。
→加藤さんがかつてパチンコにハマっていた時の当たる確率が10%だったそう。この10%が当たらない90%の悔しさを上回る快楽だった。
⑤すでにあるものを利用する。
→何かのゲームのロゴなどが謎の一部になっているとか。「このロゴにこんな意味があって、このロゴの誕生に自分が関われた」という体験を与える。
・ゲーム体験者がいかに物語をジブンゴトとして感じられるか。
・キーワードは「参加型物語」
観客が自由な場所に行ける、観客が1回ですべての物語を享受できるわけではない、観客が登場人物になる、場所に文脈がある
⇒体験を得る。

f:id:mi3du2:20171029234115j:plain


○わたしの感想
・加藤さんの最強のライバルはパズーだとおっしゃっていた。パズーは特別能力があるわけでも努力したわけでもないのにたまたま空から可愛い女の子が降ってくるなんてどういうことだ、と。パズーにあって俺にないものはない、俺だって可愛い女の子降ってきたら頑張れる、と。
これも加藤さんの原動力になっているのだろうか?
・参加型物語については、舞台に関するお話もされていて、ニューヨークではスリープノーモアという参加型の舞台があるそう。自分が参加しなきゃストーリーが進まないし、接触する役者が違えばストーリーも変わる。みたいなのってお芝居の常識を覆してて面白いし、これからはこういうのが普通になるのかなー。
何においても“体験”が価値になってる。
・加藤さんはリアル脱出ゲームを戦略的にビジネスとして始めたわけではないというのがわたしにとっては新鮮だった。普段はビジネスを今までどう構築してきたか…みたいな話ばかり聞くから。
「こうこうこういう理由があるからこのビジネスはイケます!」じゃなくて、流行ったから後からその理由を分析してる。
一回のイベントとしてやったことがヒットして世の中に受け入れられていくっていうのもあるのか。
・「デジタルとリアルの乖離と接続」みたいなの面白いな。