初めて救急車で搬送された話
先週、23年生きてきて、初めて救急車で搬送された。
なんてことはない
薬の服用による軽いアナフィラキシーショックを起こしただけだ。
病院で処方された薬であったため、急いでその病院へ向かった。
自分で病院へ向かえる意識はあったのだ。
それなのに、病院の先生はずいぶんと焦り、慌てた様子で近くの総合病院へ問い合わせを入れてくれていた。
入れてくれていたのだが、総合病院の仕組みをよくわかっていなかったようで、電話でのやり取りがとてもぎこちなかった。
わたしはひどく待たされた。
この間に看護師さんがわたしの血圧を測ろうとしてくれたのだが、血圧計など普段使わないらしく、その使い方を理解していないようだった。
そんなことあるのか。
ようやく電話での話がつき、救急外来へ行くことが決まったときには症状も少しはおさまっていた。
だが、先生は念には念をと思ってくれたのか、救急車を呼ぶと言い出した。
内心、意識もあるし歩けるしタクシーでいいのだが、と思いつつもここは先生の言うことを聞くことにした。
それはいいのだが、救急車を呼ぼうとした先生の口から衝撃のひとことが発せられたのだ。
「救急車は何番やったかね?」
そんなことあるのか。
なんとか119のナンバーを思い出してくれたおかげで救急車がやってきた。
恥ずかしいなと思いながらも人生で初めての救急車に乗った。
救急車の中はこんな様子なのか。
わたしは初めて知った。
救急隊は3人で来ること、
乗るとまず血圧を測られること、
熱を測られること、
点滴のパックがあること、
保険証の提示を求められること、
意識がある場合には本人による本人確認をとること、
ここまでは車が止まったままで行われるので出発までに意外と時間がかかること、
道を走っているときは普通に揺れを感じること、
目線を向けるところにはこども用と思われるぬいぐるみがあること。
救急車内で意識があると、人はこのようなことを思うらしい。
救急外来に着いてからは、救急の先生たち4〜5名ほどに囲まれた。
凄まじい手際で症状の確認をされ、靴と靴下を脱がされ、時計を外され、血圧を測られ、採血をされ、点滴をうたれた。
研修生らしき若い女医がきつい顔つきだが可愛かった。
注射が大嫌いなわたしだが、この女医にされるのなら何の文句も言えなかった。
40分ほど点滴をうたれていただろうか。
その間、先生たちはベッドから少し離れたデスクで一見休憩をしているように見えた。
わりと普通にスマホをいじったり、談笑したりしていた。
そういうものらしい。
確かに仕事中だからといって四六時中張り詰める必要もないだろう。
医者の世界はどんな風なんだろう。
少し気になったりもした。
そんな先生たちだが、時折容態の確認をしに来てくれたり、今後の注意をしに来てくれたり、採血の結果を知らせに来てくれたりした。
症状もだいぶ落ち着いたところで点滴も終わり、帰宅することとなった。
最後はあっさりと見送られた。
というか、救急の先生たちって意外と冷たいものなのだなと切なくなってしまった。
冷たいと言うべきか、冷静と言うべきか、殺伐としていると言うべきか。
そういうものらしい。
そんなこんなで帰宅し、無事、症状も完全に治ったのであった。
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と、先週のエピソードをもとにエッセイ風の文章を書いてみました。
これは果たしてエッセイ風になっているのでしょうか。
わかりませんが、こういう文体も書いてて楽しいです。